三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)などの3メガ銀行グループが、2023年10-12月期の連結決算で過去最高の純利益を達成しました。旺盛な資金需要や円安の影響により、利益は順調に積み上げられました。
利益の大幅増加と通期計画の進捗
3社の9カ月累積純利益は前年同期比65%増の2兆7330億円に達しました。また、MUFGが100%弱、三井住友フィナンシャルグループ(FG)が86%、みずほフィナンシャルグループが100%強の進捗率を示しました。これにもかかわらず、3社とも通期の純利益計画は据え置かれました。
地政学リスクと収益環境の不透明さ
みずほFGでは、既に9カ月累計額が計画値を上回りましたが、不透明な事業環境が続いているため、通期の純利益計画は修正されませんでした。中東情勢やロシアのウクライナ侵攻などの地政学リスクや、米金融政策などが収益環境に影響を与えています。
影響が限定的な不動産市況悪化
米商業用不動産市況の悪化は、一部の銀行の業績を圧迫していますが、3メガ銀行などには限定的な影響とされています。これは、米オフィス向け融資の割合が比較的小さいためです。
展望と金融庁の見解
3メガ銀行は今後も業績を伸ばす見込みであり、日本銀行がマイナス金利政策を解除すれば、さらなる業績向上が期待されます。金融庁も、あおぞら銀行の業績は特殊なケースであり、他の銀行への影響は限定的との見方を示しています。