岸田文雄氏が内閣総理大臣として、X(旧Twitter)上で頻発している「実在しない住所や無関係の画像で救助を求める偽情報」に対して、注意喚起を行いました。これには、X上での「インプ稼ぎ」と呼ばれる現象が背景にあると指摘されています。
偽情報の広がり
令和6年能登半島地震を契機に、SNS上で救助要請が相次ぐ一方で、中には偽の住所や写真で救助を求めるなど、事実に基づかない情報が拡散されています。これにより、実際の救助活動が妨げられ、深刻な問題となっています。
X上の「インプ稼ぎ」の背景
Xでは、一定の閲覧数を集めることで収益化できる仕組みが導入され、これが「インプ稼ぎ」を引き起こしています。ユーザーは人気の投稿に無関係な返信をするなどして閲覧数を稼ぐ行為が目立ちます。この現象が、救助要請の偽情報を広める要因となっています。
岸田首相の対応
岸田首相は1月4日の会見やXでの投稿で、「虚偽情報に惑わされないよう政府としても呼びかけている」とコメントしました。さらに、「主要なSNSのプラットフォーム事業者に対して、利用規約を踏まえて適正な対応を取るように総務省を通じて要請している」と述べました。
偽情報の実態
被災者を名乗る複数のアカウントが架空の住所を含む投稿を行う例や、地震が人工的に引き起こされたと主張する例、東日本大震災時の津波映像を今回の津波だと偽って投稿する例など、様々な偽情報が拡散されています。中には、被災者を装い、電子マネーでの募金を呼びかけるアカウントも確認されています。
SNSの課題と今後の対策
「インプ稼ぎ」を目的とした偽情報の拡散はSNSの課題となっており、利用規約で禁止されている内容がほとんどです。プラットフォーム事業者は厳格にかつ迅速に規約を運用し、偽情報の拡散を抑制する取り組みが求められています。同時に、ユーザーも公共機関の情報を確認し、虚偽情報に惑わされないよう十分な注意が必要です。
まとめ
X上での偽の救助要請が増加する中、岸田首相の注意喚起やSNSの課題に対するプラットフォーム事業者の対応が重要です。ユーザーも冷静な判断を持ち、信頼性のある情報に基づいて行動することが求められます。偽情報の拡散を防ぐためには、広く啓発活動が必要であり、今後も注意が必要です。
