島根県出雲市に広がる美しい神西湖が、半世紀で水深が4メートルから1.5メートルへと急激に浅くなり、その背後に様々な問題が広がっています。
湖の特産と激減するシジミ漁獲量
神西湖はシジミの名産地として知られ、その漁獲量はかつて700トン以上あったものが、2000年には350トン、そして昨年には50トンへと激減しています。この減少の背景には、湖の水深が急激に浅くなったことが影響しています。
富栄養化の進行とヘドロの堆積
湖の水深が4メートルから1.5メートルにまで減少した原因は、「富栄養化」によるものです。ヘドロが湖底に堆積し、毎年約4センチもの厚さで積み重なっています。このヘドロが形成される過程で、水中のアンモニア態窒素が増加し、これがプランクトンの増殖を引き起こしています。
地元住民の懸念と環境改善への要望
地元住民は湖の危機に警鐘を鳴らし、島根大学の協力を得て水質調査を実施。その結果、各家庭の浄化槽からの排水が原因と思われる高濃度のアンモニア態窒素が検出されました。地元住民は湖底のヘドロの除去や公共下水道の整備などを求め、これには相応の予算が必要です。
未来への呼びかけ
神西湖漁業協同組合の組合長は「将来を担う次の世代にこうした環境を残していいのか」と問いかけ、早急な環境改善を訴えています。湖がヘドロに覆われ、特産のシジミやウナギが危機に瀕している中、神西湖の未来が危ぶまれています。