渋谷のクリスマス、異なる物語: 「クリスマス粉砕!」デモの舞台裏
毎年訪れるクリスマスの季節、渋谷の街は幸せそうなカップルたちで溢れ、愛と喜びが交わる光景が広がります。しかし、その一方で、恋愛資本主義に反対する声が大胆に響くのが「クリスマス粉砕!」デモです。このデモは、革命的非モテ同盟(革非同)が主催し、クリスマスの商業主義に対抗する独自のメッセージを発信しています。
デモの歴史と主旨
2006年から始まったこのデモは、今年で11回目を迎えました。革非同は、カップルや集団ではなく、「ひとりで生きる」という選択肢を主張し、「非モテの人々の人権を蹂躙させない」という強いメッセージを掲げています。デモ参加者たちは渋谷駅周辺を拠点に、約40分間にわたり街中を練り歩き、注目を集めています。
資本主義の影響とピースボートの舞台裏
デモ隊は、クリスマスによって賃労働が強制され、資本家に搾取されていると主張します。特に興味深いのは、革非同の革命評議会議長であるマーク・ウォーター氏の体験談です。彼は「ピースボートで船旅での世界一周」を経験し、船内での恋愛に失敗したことで「階級としての非モテ、階級としてのフラレタリアートに属する」と感じたと語りました。
デモの結末と反響
デモ終了後、「今年も我々の勝利だ」という手応えを感じる参加者たちは、共に話し合いました。デモ自体は、あくまで愛し合うカップルの存在を否定するものではなく、クリスマス商業主義に対するアンチテーゼとして位置づけられています。写真にも残るデモの様子は、「革命的非モテ同盟」が主催し、「成功した」との声が上がっています。
デモに対する社会の視点
社会においては、デモ参加者たちに対する視線が温かいものとされています。カップルたちにとって特別な時間を否定する主張にもかかわらず、「クリスマスふんさーい♪」と口ずさむ通行人や、飛び入りで参加する若者たちが存在しました。
異なる意見と今後の展望
しかし、デモ参加者には風潮に違和感を抱く人も多く、「クリスマスはカップルがいちゃつくものだと押し付ける風潮はどうなのか」と疑問視する声や、「本来のキリスト教の趣旨は違うのではないか」といった異なる意見もあります。
初参加の若い女性は「クリスマスは誰かと一緒に過ごす楽しい思い出はなかった。見知らぬ人たちだけど、一緒に大声をあげられて良かった」と、デモが彼女にとって楽しい経験となったようです。
結びつける一言
渋谷の街には異なる物語が共存しています。カップルの喜びと、非モテの声。クリスマスの商業主義と、自由な言論の舞台。これらが交錯する渋谷のクリスマス、それが「クリスマス粉砕!」デモの真実です。